CS2コミュニティで、大規模な事件が発生した。希少なSteamインベントリを所有するコレクターがハッキングと脅迫の被害に遭ったのだ。攻撃者はアカウントへ侵入し、ゲーム内で最も高価なセットの1つである「Katowice 2014 完全コレクション」を含むすべてのアイテムを破壊すると脅迫した。この出来事は拡散され、結末は予想外のものとなった。
何が起きたのか:ハッキング、恐喝、そしてBTC要求
「Hawkeye337」というニックネームで知られる、Katowice 2014 ホログラフィックステッカーのコンプリートセットを持つ有名コレクターのSteamアカウントが、ハッカーに侵入された。
攻撃者はオーナーに対して恐喝を開始し、2時間以内に1ビットコインを支払うよう要求、さもなければインベントリを完全に破壊すると脅した。
メッセージには個人の安全に関する脅迫も含まれており、単なる窃盗ではなく、完全な犯罪的恐喝へと発展していた。
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何が危機にさらされていたのか:数十万ドル相当のインベントリ
Hawkeye337 は世界でも数少ない、Katowice 2014 コンプリートセットを所有する人物の一人だ。
その規模感は以下の通り:
- プロフィールショーケースには iBUYPOWER、Titan、Vox、Reason などのホログラフィックステッカーが並んでいた
- 多くはもはや市場に出回っていない
- 全インベントリの推定価値は 現在の相場で50万ドル以上
このコレクションは2014年当時、わずか137ドルで購入したものだが、それが現在ではハイエンドの暗号資産ポートフォリオに匹敵する価値へと成長した。
HELP! MY ACCOUNT GOT HACKED AND I AM NOW BEING BLACKMAILED
PLEASE X PEOPLE, TAG ANYONE YOU MAY KNOW IN STEAM SUPPORT TO RESPOND TO MY TICKET (HT-7HXJ-VP85-9HXQ) ASAP @Steam @CounterStrike @valvesoftware pic.twitter.com/lQ0VIT0fvm
— Hawkeye337 (@MarkSpurlock33) November 13, 2025
コミュニティの反応:数千件のリポストと前例のないサポート
Hawkeye337 がハッキングと恐喝の証拠を公開すると、SNS上で瞬く間に拡散した。
トレーダー、インフルエンサー、著名人、一般プレイヤーまでもが議論に参加し、Steamに対応を求めた。
悲劇的な状況がコミュニティを一つにし、数時間で1000件以上のリポストを獲得し、CS-Xフィードのトップトピックとなった。
予想外の結末:インベントリの完全復元
最も驚くべき展開は、Steamがアカウントへのアクセスを復旧し、すべての希少アイテムを含むインベントリを完全に復元したことである。
Valveのサポートは外部ハッキングによる損失を復元しないことで知られており、これは極めて異例の対応だ。
コミュニティでは、同様の対応が行われたのは、3百万ドル以上のインベントリが被害に遭った「HFB事件」以来だと言われている。
ITS BACK! ITS….ALL BACK! EVERY STICKER!!! omg…I'm shaking. I am at a complete loss for words🙏
From the BOTTOM of my heart, thank you @CounterStrike, @Steam, and the entire X community for the for 1K retweets and blasting this out there to reclaim my account! – Hawkeye337
— Hawkeye337 (@MarkSpurlock33) November 13, 2025
2025年、高額スキンを保持することは安全なのか?
今回の事件は、高額インベントリの安全性に関する重要な議論を呼んだ。
- Katowice級のセットは2025年現在、大都市のマンション並みの価値
- ハッカーは恐喝、ソーシャルエンジニアリング、スマホへの侵入、SIMスワップ等を使用
- 熟練コレクターでも被害を免れない
トレーダーの間で最も議論されたのは:
数十万ドル規模のデジタル資産を「公式の金庫やコールドストレージが存在しないプラットフォーム」に置いておくのは妥当なのか?
という点だ。
プレイヤーとコレクターはいまだに脆弱なまま
今回のケースは、コミュニティの力と情報の可視化が、ユニークなデジタルコレクションを救えることを示した稀有な例となった。
しかし同時に、2025年の現在でも、伝説的価値のスキンを持つプレイヤーやコレクターがいかに脆弱であるかを示す厳しい現実でもある。

