フィンランドの組織 ENCE は、ポーランド人コーチ Jakub “kuben” Gurczyński との契約を正式に終了したことを発表した。これにより、彼の在任期間は正式に幕を閉じた。実際には、2024年8月 にロスター変更と Niclas “enkay J” Krumhorn のヘッドコーチ就任に伴い、kuben がベンチに移された時点で事実上終了していた。
主力の離脱後の再建
ポーランドのコーチである kuben は 2023年11月 に ENCE に加入し、Eetu “sAw” Saha の後任となった。当時、クラブは危機的状況にあり、安定と国際的評価をもたらしたロスターが崩壊していた。数週間のうちに、Marco “Snappi” Pfeiffer、Pavle “Maden” Bošković、Guy “NertZ” Iluz、そして Álvaro “SunPayus” García が相次いでチームを去った。
kuben はゼロから ENCE を立て直すという挑戦を受け入れた。若手のポーランド選手と経験豊富な国際的プレイヤーを組み合わせ、最高レベルで競える布陣を模索した。しかし、チームは安定性を欠いた。頻繁なメンバー変更、不明瞭なリーダーシップ、変化する戦略が結果の波を生み、ランキングは徐々に下降していった。
続きを読む
Katowice 2024 ―― 短命の輝き
kuben が ENCE で過ごした期間のハイライトは IEM Katowice 2024 だった。ポーランドの核を中心に構成され、Lukas “gla1ve” Rossander が率いたチームは、Spodekアリーナ で奇跡的なプレーオフ進出を果たし、ポーランドのファンに再び誇りを取り戻させた。
この成功はポーランドのCounter-Strike復興の象徴となったが、長くは続かなかった。Katowice後、ENCEは調子を維持できず、再び不安定な時期に突入。国際的なロスター構築への移行も期待した成果をもたらさなかった。
方針転換と別れ
2024年の失望に終わった夏を経て、ENCEは方向転換を決断した。enkay J の下でデータ分析に基づいた方針を採用し、kuben はベンチに移された。1年以上の間、彼は契約下にあったものの、日常業務には関与していなかった。そして 2025年10月、両者は正式に別離を発表した。
I want to express my heartfelt gratitude for the opportunity to work for ENCE. It’s been a truly enriching experience, and I greatly value the trust, respect, and professionalism they have shown throughout our collaboration. #EZ4ENCE #polskaGurom https://t.co/5oUWC2al5u
— kuben (@kubenCS2) October 17, 2025
Virtus.proからENCEへ ―― ベテランの軌跡
Jakub “kuben” Gurczyński は、ポーランドCounter-Strike界で最も尊敬される人物の一人である。選手としては、CS 1.6 時代を支配した伝説のチーム Golden Five の一員だった。引退後はコーチとして復帰し、Virtus.pro をほぼ5年間率いて、かつての仲間たちと共に複数のタイトルを獲得した。
2023年、kuben は apEX に加入し、チームを BLAST Paris Major の準決勝というサプライズ進出に導いた。これはそのシーズンで最も記憶に残る快進撃のひとつだった。その成功により、彼は ENCE からのオファーを受け、チームの再建期に安定とリーダーシップをもたらすことが期待された。

コミュニティの反応 ―― ユーモア、驚き、そして憶測
この発表は CS2 コミュニティで大きな話題を呼んだ。多くのファンが、kuben がまだ ENCE に在籍していたことを知らなかったと認めた。
彼がまだENCEにいたなんて全然知らなかった―― Gordon Shumway はそう書き、多くのファンの声を代弁した。
他のファンはユーモアを交えつつ、彼の次の行き先を推測した。 「BC GAME Kuben — jL, rain, s1mple, nexa, aNdu」 とあるファンが冗談交じりに投稿し、BC.Game の“スーパーチーム”という人気ミームを引用した。
- ポーランドのファンは懐かしさを込めて反応した:「@izaklive、彼をapogeeに連れて行け!」 と、配信者 Izak に呼びかけるユーザーもいた。
- 中には新たなレジェンド誕生の機会と見る者もいた。「Olofの出番だ、ベイビー!」 と drunk47 が付け加え、別のベテランの復帰をほのめかした。
- 全体として、コミュニティの反応はユーモア、懐かしさ、驚きが入り混じったものであり、Counter-Strike界で長年にわたり活躍してきた kuben の存在を象徴するものだった。
kubenとENCEの今後
1年以上のブランクを経て、37歳のコーチは再びフリーエージェントとなった。彼の戦術的洞察、経験、リーダーシップは、構造と規律を求めるチームにとって魅力的な存在だ。
ENCE にとって、この決断は CS2時代の再建プロジェクト の継続を意味する。enkay J の指導の下、チームは若い才能、分析、そして長期的な成長に焦点を当てている。約2年間の協力関係は永続的な成果をもたらさなかったものの、Katowice 2024の奇跡的な快進撃 など多くの印象的な瞬間を残し、ファンに kuben のCounter-Strike界における不朽の影響を再認識させた。