CS Asia Championships 2025のグランドファイナルは、南米Counter-Strikeの歴史における決定的な瞬間となった。 ブラジルのチームLegacyは、緊迫した5マップシリーズを3–2で制し、CS2史上初の南米王者となった。
背景:両チームにとっての新時代

この決勝戦は、2つの驚くべき旅路の頂点を象徴している。 Legacyにとって、このトーナメントは変革の物語だった——アンダードッグからチャンピオンへ。わずか数ヶ月前まで彼らは上位から外れていたが、IEM DallasやFISSURE Playgroundでの好成績が、大きな飛躍への土台を築いた。
一方、3DMAXにとっては、フランスCS復興の頂点だった。長年の低迷を経て、伝統ある組織が見事に復活。Maka、Lucky、Graviti、そしてbodyyといったベテランたちのリーダーシップのもと、チームは「規律」「経験」「そして信念」がどれほど遠くまで導けるかを証明した。
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- Legacy —— 安定から歴史的勝利へ
Legacyが初の国際タイトルを手にするまでの道のりは、長く厳しいものだった。 初戦でVirtus.proに13–2の圧勝を収め、続く試合で3DMAXを2–1で破り、その落ち着きと実力を見せつけた。
FUT (2–1)を下した後、上位ブラケット決勝でLiquid (1–2)に敗れ、敗者ブラケットへ。 準決勝ではHeroicを相手に再び精神的な強さと戦術的一体感を証明し、2–1で勝利して決勝へ進出。
そしてそこで、彼らは歴史を刻んだ——3DMAXとの激闘を制し、トロフィーを掲げた。 Legacyの戦いは、情熱、才能、そしてハートに満ちた「ブラジルCS復活」の象徴となった。
- 3DMAX —— フランス復興と不屈の象徴
3DMAXにとって、この大会はまさに「粘り強さの旅」だった。 The Hunsに13–1で圧勝した後、早々に**Legacy (1–2)**に敗北。しかしそこから彼らは驚異的な巻き返しを見せた——Lynn Vision (2–0)、Virtus.pro (2–1)を連破して生き残り、 その勢いのままfnatic (2–1)、**Liquid (2–1)**にも勝利して世界を驚かせた。
全てのシリーズがサバイバルの戦いだったが、その執念が彼らを決勝まで導いた。 敗北の中にあっても、3DMAXはフランスCSシーンが今なおエリートと戦えることを証明した——情熱、構造、そして決意を兼ね備えて。
試合詳細
- Nuke — Legacy、主導権を早期に掌握
シリーズはNukeでスタート。Legacyは序盤から圧倒的な支配力を見せた。完璧な防御構成——正確なローテーション、積極的なランプ攻め、自信に満ちた連携により、前半を10–2で折り返す。lattoのリーダーシップのもと、ブラジル勢は13–6でマップを締め、n1ssimが要所を守りきった。
- Dust2 — 3DMAXの反撃
Dust2ではフランス勢がリズムを取り戻した。Makaの鋭いAWPと、bodyyの安定したミッドコントロールが鍵。
Legacyがテンポを合わせようとするも、3DMAXは勝負所で冷静さを失わず、GravitiとLuckyが重要なラウンドを取って13–11で勝利、シリーズをタイに戻した。
- Inferno — フランスの勢いが頂点に
3マップ目は完全に3DMAXのものだった。 Bananaの支配と教科書のような守備がLegacyを封じ込める。 Makaの精密なプレイに加え、Ex3rciceとGravitiが両サイトを完璧にロック。
疲れの見えるLegacyは攻撃に冴えがなく、3DMAXが13–5で快勝。シリーズ2–1でリードし、王座まであと一歩と迫る。
- Train — ブラジルの反撃
崖っぷちに立たされたLegacyは、チャンピオン級の粘りを見せる。 dumauとlattoがBサイトを統率し、n1ssimが1v2のクラッチを連発。 接戦の展開ながら、中盤の落ち着いた判断が功を奏し、13–10で勝利。最終マップへ。
- Ancient — 歴史に残る決勝戦
タイトルはAncientで決することとなった。 LegacyはCTサイドで8–2と好スタートを切り、n1ssimが圧倒的な存在感を発揮。 フランス勢は立て直しを図るも、団結したブラジル守備陣を突破できない。 終盤、saadszinとdumauがオープニングキルを重ね、最後はn1ssimのトリプルキルで幕。 最終スコア13–6——LegacyがCS Asia Championships 2025王者に輝いた。

決勝戦MVP —— Vinicius “n1ssim” Pereira

- K–D: 73–63 (+10)
- ADR: 77.9
- Rating 3.0: 1.26
n1ssimはLegacy勝利の心臓だった。
安定感、ポジショニング、そして勝負所での冷静さがシリーズ全体を決定づけ、接戦を勝利へと変えた。
世界ランキング(VRS)への影響
- Legacy: +56ポイント(1619 → 1675)——世界13位を固め、トップ10目前。Major直招きへの大きな一歩。
- 3DMAX: −18ポイント(1769 → 1751)——世界10位を維持するも、ライバルに差を詰められる。
Legacyにとってこれは歴史的な飛躍——数年ぶりに世界トップ15入りを果たした南米チームの誕生であり、新たな勢力の台頭を示すものだ。
勝利の象徴
この勝利は単なるトロフィーではなく、「宣言」だった。 ブラジルCounter-Strikeが帰ってきた。 Legacyは、体系的な準備、信頼、そして冷静さが、経験や資源の差を超えることを証明した。 一方、3DMAXは誇りを持って大会を後にした。 彼らの再建は本物であり、フランスCSシーンの炎は今も燃え続けている。
Legacy —— 新たなチャンピオン
LegacyのCS Asia Championships 2025制覇は、ただのタイトルではない。 それはCounter-Strike史の新章の始まり——情熱、信念、そしてチームワークで書かれた物語だ。
過小評価されていたアウトサイダーが、世界的チャンピオンへ。 Legacyは、精神と団結力が最も若いチームすら世界の頂点へ導けることを示した。 この勝利は、CS2における新たなブラジル時代の夜明けを告げる。 その先頭に立つのは、夢を現実に変えたチーム——Legacyだ。